九州の建設業必見！工事保険と賠償責任保険の違いと使い分け

 
建設業を営む皆様、工事現場でのリスク管理は万全でしょうか。突発的な事故や自然災害、第三者への損害など、現場には多くのリスクが潜んでいます。そのリスクをカバーするために重要なのが「工事保険」と「賠償責任保険」です。
 
しかし実際には「どちらの保険に加入すべきか分からない」「両方必要なのか」と悩む建設業者の方も少なくありません。もし適切な保険に加入していなければ、万が一の事故で数百万円単位の損害を会社が直接負担する事態にもなりかねません。
 
この記事では、工事保険と賠償責任保険の違い、補償範囲、実際の事例を交えて徹底解説します。九州で建設業を営む経営者の皆様が「保険選びで失敗しないための知識」を得られるよう分かりやすくまとめました。
 

1. 工事保険と賠償責任保険の決定的な違い

 
建設業界でよく耳にする工事保険と賠償責任保険。名前は似ていますが、その役割は大きく異なります。
 

• 工事保険（建設工事保険）： 工事中の対象物自体に発生した損害を補償。
  例：建設中の建物が強風で損壊、現場の建材が盗難に遭った。

 

• 賠償責任保険： 第三者に与えた損害を補償。
  例：足場が倒れて隣の建物を壊した、通行人にケガをさせた。

 

つまり、「自社の工事物件を守るのが工事保険」「第三者への賠償をカバーするのが賠償責任保険」です。どちらか一方ではカバーできないリスクがあるため、両方をバランスよく組み合わせることが重要です。
 

2. 実際のトラブル事例で見る補償の違い

 
具体的なケースで補償範囲を比べてみましょう。
 

• 事例1： 強風で足場が崩れ、建設中の建物が損傷した場合
  → 工事保険：建物や足場の損害を補償
  → 賠償責任保険：対象外

 

• 事例2： 足場が倒れ、隣接する住宅の窓ガラスを破損させた場合
  → 工事保険：足場の損害を補償
  → 賠償責任保険：隣家の修理費を補償

 

• 事例3： 工事現場から資材が落下し、通行人がケガを負った場合
  → 工事保険：対象外
  → 賠償責任保険：治療費・慰謝料を補償

 

このように、両保険を組み合わせることで初めて「現場全体のリスク」に備えられるのです。
 

3. 保険選びで失敗しないためのポイント

 
九州の現場で保険を選ぶ際に注意すべきポイントは以下の通りです。
 

• 工事保険の期間制限： 多くは工事期間中のみ適用され、引き渡し後の瑕疵には対応しません。

 

• 賠償責任保険の種類： 請負業者賠償責任保険（請賠）と、生産物賠償責任保険（PL保険）は適用範囲が異なります。

 

• 補償の重複や抜け： 特約を付けると補償範囲が重複することもあれば、逆に抜けが生じることもあります。

 

• 発注者の要件： 公共工事では特定の保険加入が必須の場合もあるため契約内容を必ず確認。

 

保険料を抑えることも大切ですが、万が一の損害額を考えれば「必要な補償に投資する」方が長期的には安心です。
 

4. 九州の建設会社におすすめの保険設計

 
理想的には「工事保険＋請負業者賠償責任保険」を基本とし、工事規模や種類に応じて特約やPL保険を追加するのがベストです。
 
特に住宅密集地での工事や、大型設備を扱う場合には補償額を厚めに設定することをおすすめします。また、保険代理店や専門家に相談し、過去の事故事例や取引先の要件を踏まえたオーダーメイドの保険設計を行うことが重要です。
 

まとめ

 
工事保険は「工事対象物を守る」ための保険、賠償責任保険は「第三者への賠償を守る」ための保険です。建設業を続ける限り、現場リスクから完全に逃れることはできません。だからこそ、両保険を正しく理解し、組み合わせて加入することが会社の存続を左右します。
 
九州で建設業を営む皆様は、ぜひ自社の工事内容に合った最適な保険設計を行い、安心して事業を継続できる体制を整えてください。

投稿：九州労災一人親方部会

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九州労災ブログ担当

九州労災の中の人。
一人親方様の支援を仕事としています。

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