九州の建設業一人親方が実践する新しい働き方〜残業ゼロで収入アップと家族時間を両立〜

 
近年、建設業界でも「働き方改革」の波が広がり、九州各地でも一人親方たちが自分らしい働き方を模索しています。会社に縛られず、技術と信頼で仕事を請け負う職人として生きる一人親方。彼らの中には、残業ゼロでも年収アップを実現し、家族との時間も確保している人たちが増えています。今回は、そんな九州の職人たちの実例と工夫を紹介します。
 
 

1. 残業ゼロでも収入を上げる！九州の一人親方が実践する働き方改革

 
福岡県で大工として20年以上活動する中村さん（45歳・仮名）は、「朝7時から夕方4時まで」の定時制を貫きながら、月収50万円以上を安定して得ています。「仕事はすべて受けるのではなく、自分の得意分野に特化して効率化することが大切」と語る中村さん。受注を厳選し、品質とスピードの両立で高単価を実現しています。
 
熊本県の左官職人・山田さん（38歳）は、伝統技法を現代住宅に応用した独自の塗り壁が人気。「専門性を高めた結果、単価交渉がしやすくなり、作業時間を半分にできた」と話します。
 
鹿児島の鉄骨職人は、週4日勤務に切り替えても収入は20％アップ。秘密は、デジタル化による事務作業の効率化と、無駄のない現場管理にあります。「稼ぐだけでなく、家族との時間を大切にする。それが次の仕事への活力になる」と、多くの職人が口を揃えます。
 
九州の一人親方たちは、技術と生活のバランスを取りながら、自分に合った“理想の働き方”を確立しているのです。
 
 

2. 伝統を守りながら週休二日制を実現する時間管理術

 
福岡県糸島市で桐箪笥を製作する川原さんは、予約制で仕事を受注。3ヶ月先までスケジュールを組み、週に1日だけ緊急対応日を設けています。「予定を明確にすれば無駄が減り、週休二日でも十分に回せる」と語ります。
 
熊本の和紙職人・田中さんは、朝6時から正午までを“集中作業タイム”に設定。午後はSNS発信や受注管理をクラウドで行い、デジタルと職人技の両立を実現しています。
 
長崎県の鍛冶職人・森田さんは、地域の職人仲間5人と共同の作業スペースを運営。配送や資材の調達を分担し、効率を高めています。このように、チーム連携や可視化されたスケジュール管理が、週休二日を可能にしています。
 
共通しているのは、「時間」を最も貴重な資源と考える姿勢。九州の職人たちは、

 
• 朝型作業で集中力を活かす
• 同種の作業をまとめて処理する
• 移動や待ち時間を事務作業に使う
• デジタルツールで請求書や見積もりを自動化
• 受けきれない仕事を断る勇気を持つ

 
といったシンプルで効果的な時間術を実践しています。
 
 

3. 子育てと仕事を両立する九州の職人たち

 
「子どもの成長をそばで見たい」そう語るのは、福岡県で左官業を営む中村さん（42歳）。朝6時から正午まで集中して働き、午後は子どもの送迎や家事を担当しています。午前中だけの勤務でも高い技術でリピーターが絶えません。
 
熊本の大工・田中さん（38歳）は週4日勤務を実践。「金曜は保育園の行事や家族時間に充てる」と話し、一人親方ならではの柔軟な働き方を楽しんでいます。
 
鹿児島の畳職人・木下さん（45歳）は学校行事の前日は早朝作業で調整。「子どもの笑顔を見ると、疲れも報われる」と笑います。
 
さらに、佐賀の瓦職人・山田さん（47歳）は、夏休み期間に仕事を減らして家族旅行へ。「一時的に収入が減っても、集中力が高まって結果的に効率が上がる」と語ります。
 
九州の職人たちは互いにネットワークを作り、仕事の協力や代行で助け合う仕組みも構築しています。「一人でも、一人じゃない」。地域に根ざした支え合いの精神が、ワークライフバランスを支えているのです。
 
九州の一人親方たちは、「自分の時間を自分で設計する」という自由を最大限に活かし、技術・収入・家族の幸せを両立しています。彼らの働き方は、これからの建設業における新しいスタンダードとなるかもしれません。
 
 
 
投稿：九州労災一人親方部会