1. 労災保険と特別加入制度 ― 知っておくべき基本
会社員は通常労災に加入しますが、一人親方は対象外です。そこで利用するのが特別加入制度。未加入だと業務中・通勤中の事故で補償を受けられません。
特別加入のメリット:①業務中のケガ・病気の補償、②通勤災害の補償、③年金給付の可能性。掛金は作業内容で変わり年間で概ね1〜5万円程度(経費計上可)です。
手続きは各県の建設業労災保険事務組合を通じて行います。九州は梅雨や台風シーズンのリスクが高いため、特別加入は強くおすすめします。
2. 九州の一人親方が最低限入るべき3つの保険
災害や休業に備え、まず押さえたい保険は次の3つです。
- 一人親方労災保険(月額4.980円~):
業務中・通勤中の事故や熱中症などをカバー。九州の暑さ対策として重要です。 - 所得補償保険(月額約5,000円~):
病気やケガで働けない期間の収入を補償。台風で作業中止になったときの備えにも有効です。 - 第三者賠償責任保険(月額約2,000円〜):
資材落下や施工ミスで第三者へ損害を与えた場合に備える保険。都市部や観光地での工事は必須です。
合計で月1〜2万円程度の負担が目安ですが、万が一の損失を考えれば必要な投資です。
3. 税制優遇・制度活用で負担を軽くする
保険は節税や将来設計にも使えます。代表的な制度:
制度の活用は税理士や商工会議所等で相談すると効果的です。
4. 九州各地の支援窓口(活用例)
各県には中小事業者や一人親方向けの支援窓口があります。主な例:
- 福岡県:よろず支援拠点(保険・税務のワンストップ相談)
- 熊本県:中小企業支援プラットフォーム(専門家相談)
- 鹿児島県:かごしま中小企業支援センター(資金調達等)
- 大分・宮崎・長崎・佐賀:各県の支援窓口で無料相談を実施
これらの窓口を利用すると、保険の組合せや補助金・融資の活用など具体的な解決策が得られます。
まとめ:保険は一人親方の「経営の命綱」
一人親方にとって保険は経営と生活を守る必須の備えです。九州は自然災害リスクが高いため、特別加入の労災と所得補償、賠償責任保険を基本に、税制優遇や地域支援制度を組み合わせて負担を軽くしましょう。
まずは現在の契約を見直し、不足があれば複数社の見積りや専門家相談を検討してください。