梅雨が明けると、いよいよ本格的な台風シーズンの始まりです。特に九州・沖縄地方では、毎年のように台風が上陸・接近しており、建設現場で働く一人親方にとっては仕事にも生活にも大きな影響を与えるリスクが迫っています。
近年は気候変動の影響で、台風の勢力が増し、集中豪雨による土砂災害なども増加。対策を怠れば、現場の被害だけでなく、第三者への損害賠償や工期遅延による信頼失墜、最悪の場合は経営難に陥るケースもあります。
そこで本記事では、建設業に携わる一人親方が台風シーズンを安全に乗り越えるために、「現場の備え」と「保険の見直し」の両面から、実践的なアドバイスをご紹介します。
台風で最も多い現場被害は、強風による足場や資材の飛散・崩壊です。実際に過去の台風では、隣の家に足場が倒れ、数百万円〜数千万円の損害賠償が発生したケースも。
また、大雨による浸水や土砂崩れなどで現場が壊滅状態となり、再施工を余儀なくされたという事例もあります。個人事業主である一人親方にとって、こうしたトラブルは文字通り死活問題です。
■現場の物理的対策チェックリスト
資材・足場・仮囲いの固定強化(アンカーやワイヤー使用)
排水経路の整備(ポンプや土嚢の配置)
重機・工具の高所避難や屋内保管
気象警報発令時の作業中止ルールと緊急連絡網の確認
大手ゼネコンでは「台風マニュアル」や「段階別警戒レベル」で動いていますが、一人親方も自分の現場に合わせたルール作りが重要です。
建設工事保険だけでは、台風による全てのリスクをカバーできない場合もあります。以下の保険の見直し・加入検討をおすすめします。
【1】請負業者賠償責任保険(PL保険)
資材の飛散などで他人の建物や車に損害を与えた場合の賠償をカバー。
【2】建設工事保険+風災・水災補償特約
現場資材や仮設物が台風で破損した際の修復費用を補償。
【3】工事履行保証保険・工事遅延保険
台風の影響で工期が遅れ、違約金が発生した場合などに備える。
【4】使用者賠償責任保険
作業員(自分以外の応援職人など)がケガをしたとき、労災保険だけではカバーしきれない場合に備える。
台風接近が予想されていたにもかかわらず、適切な養生(資材固定など)をしていなかった
保険の対象外となるエリアでの作業(例:崖地・水害危険地域)
下請けや外注先の作業で発生した事故なのに、保険契約が元請け限定だった
こうしたケースでは、いざという時に保険が下りず、自腹で何百万円もの賠償責任を負うことになります。
台風被害後、速やかに仕事を再開できるかどうかは「BCP(事業継続計画)」の有無が大きな差となります。一人親方にもできるBCPの要点は以下のとおりです。
被害前後の写真記録をスマホ+クラウド保存
緊急時の応援体制(職人仲間や取引先との連携)
保険証券や重要書類のデジタル保存
賠償請求・保険申請の流れを事前に確認
現場養生チェックリストを作成し、定期的に確認する
今の保険で本当に大丈夫か、保険会社に相談する
台風警報発令時の連絡体制と作業中止ルールを決めておく
自然災害は避けられませんが、被害を最小限に抑える準備はできます。特に一人親方のように現場と経営を1人で担う立場では、リスクに対する備えがそのまま“命綱”です。
現場の安全対策と保険の見直しをセットで行うことで、「台風が来ても慌てない」仕事の土台が整います。今年の台風シーズンも、無事故・無損害で乗り切りましょう。
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ご希望のエリア、金額等をフォームから入力して申し込みしてください。当団体と契約のある全国の企業様からご連絡がいきます。
もちろん無料です。
名称
九州労災一人親方部会
理事長
中村 和美
許可
厚生労働大臣熊本労働局承認
加入員資格
熊本県・宮崎県・大分県・福岡県・佐賀県・長崎県・鹿児島県にお住まいの建設工事に従事する一人親方とその家族従事者
所在地
《本部》
〒860-0806 熊本県熊本市中央区花畑町1-14
A&M HANABATA301号
《岩槻事務センター》
〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町6-1-32
電話番号
(電話受付は平日9:00から18:00、土日祝や時間外もなるべく対応いたします)
FAX
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