1. 確定申告の基本と準備書類

 
主な必要書類は下記の通りです。

• 1年間の収支をまとめた帳簿（収入・経費の記録）
• 領収書・請求書などの証憑書類
• マイナンバーカード等の本人確認書類
• 前年の申告書控え（初めては不要）

提出方法は税務署での持参のほか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用した e-Tax（電子申告） が便利。特にスマホやPCで完結できるため、時間が取りにくい一人親方におすすめです。
 
 

2. 一人親方がよく陥る失敗と対策

失敗①：経費の記録不足

忙しくて領収書を溜め込み、申告直前に慌てるケースが多いです。

対策：日々スマホで記録。クラウド会計（freee、マネーフォワード等）や専用ノートでその日のうちに整理しましょう。事業用口座を分けると証拠管理が楽になります。

失敗②：控除の見落とし

青色申告特別控除や小規模企業共済の控除を申告し忘れると税負担が増えます。

対策：青色申告を選び、e-Taxと電子帳簿で65万円控除を目指す。共済や年金制度の活用も検討しましょう。

失敗③：納税資金の準備不足

売上が好調でも納税資金を確保していないと支払期日に困ることがあります。

対策：売上の3割を目安に別口座へ積立。予定納税の仕組みを理解して計画的に備えましょう。

3. 経費計上で抑える税負担のコツ

 
経費は「事業に直接関係する支出」が対象です。建設業の代表的な経費例は次の通り。

• 工具・材料費、作業着・安全靴
• ガソリン代・交通費、車両維持費（車検・修理・保険）※按分が必要な場合あり
• 通信費（携帯・インターネット）、自宅事務所の按分家賃・光熱費
• 一人親方労災保険や小規模企業共済の掛金
• 書籍代、講習会費、仕事関連の交際費

高額工具は減価償却で複数年に分けて経費化できます。プライベート兼用の支出は使用割合を明確に記録し、領収書は原則7年間保管してください。

まとめ

 
確定申告は事業の健全運営に直結する重要な作業です。基本準備、よくある失敗の回避、適切な経費計上の3点を押さえれば、初めての申告でも安心して取り組めます。早めの準備と必要に応じた専門家の活用で、税務面の不安を減らして事業に集中しましょう。